LIMBO島

Egg-man disk ECD-3001 3,000円(税抜)


伊藤ヨタロウを中心とする6人組の2年振りの新作は、アイリッシュ・トラッド、ファンク、60年代歌謡にフォークもありの、無国籍サウンド。ビートにザズー、ロスト・ジェネレーション。世界の異端がメトロポリス・東京の音を作ったら、こうなったかも。永瀬正敏に吉本ばなな、鈴木慶一(ムーンライダース)も大絶賛の傑作。 (太陽 1996 MAR.)

●収録曲目

  1. LIMBO島 (mp3)
  2. 東京暮色
  3. 蝙蝠翁
  4. 憂いの玉箒
  5. あんなに空が
  6. 風来坊とアーティチョーク
  7. オーロラ・レゲエ
  8. ZINGARO
  9. DOM RERIGNON, NOEL, SANTA MARIA
  10. 世界の果てでNONと叫びし小さきケモノ
  11. 宇宙アンファンテリブル
  12. さまよえる楽隊

MEMBERS
伊藤ヨタロウ…Lyrics, Vocals
光永巌…Bass, Guitars, Vocals
石坪信也…Drums, Bodhron, Vocals
ライオン・メリィ…Accordion, Keyboards, Vocals
田村玄一…Guitar, Banjo, Pedal steel, Vocals
横川タダヒコ…Mandolin, Violin, Vocals
PRODUCED BY 横川タダヒコ&伊藤ヨタロウ
ENGINEERED BY 秋元孝夫

 


アルバム"LIMBO島" 解題
・by 伊藤ヨタロウ、横川タダヒコ、ライオン・メリィ

  • LIMBO島(The Isle of LIMBO)
    (作詞・伊藤ヨタロウ/作曲・横川タダヒコ)
    93年の春、『風狂伝』発表直後に作った、『DO THE TARASCON』の次のメトロのテーマ曲。去年発表した小説『凛坊島』*も同曲をベースにしたもので、NHK-BS「小説実験室・凛坊島」のテーマにも使った。小説の方は、大正時代、隅田川に浮かぶ架空の島での様々な人間模様を描いた中編だが、曲の方は、都市の埋めつくされた川たちへの鎮魂歌、はたまた無節操な都市開発への皮肉、疑問符といった心情を、ゴージャスなアイリッシュ・ムードいっぱいに包まれて歌っている。去年作ったとはいえ、<ハイウェイの橋ゲタのここは地獄か天国か…>というサビを神戸の被災地で歌った時は、いささかはばかられた。
    (*『東京百景』NHK出版)

  • 東京暮色
    (作詞・ヨタロウ/作曲・タダヒコ)
    「メトロ版『上を向いて歩こう』、60年代歌謡を!」から、いつのまにか「TYPOGRAPHICAのビートを松竹新喜劇のように」と展開。メロディが4段階ずっと続くので、歌としては難しいが、コーラスはやはり同じ 6 人組のSWAPを意識した。あれっ、M ?

  • 蝙蝠翁(コーモリオキナ)
    (作詞・ヨタロウ/作曲・タダヒコ)
    敬愛する小説家・永井荷風をモデルに、下町を徘徊する偏屈な老人を歌ったPop tune (!? )。録音当初、ポップになり過ぎて、渋めに手直しされたのもヘンクツ爺さんの仕業か? 出典は古く91年の伊豆山中でのベースメント・テープに見い出される。メリー翁イチ押し曲。曰く「大好きなZEPPELINの『バトル・オブ・エバモア』やジェスロタルの良い部分を想起させる」導入部はブルガリアン・ボイスからサンプリングしたと勘違いされる御仁もあろうが、これは上野洋子嬢による仕業。1番から3番へ段々と変化してゆく妖怪娘。

    ここまでの3 曲が、<架空都市>の東京異聞三部作となっている。ここでない何処か、それは大正~昭和初期、それとも昭和30年代?東京、倫敦、はたまた愛蘭土?

  • 憂いの玉箒
    (作詞/作曲・ヨタロウ)
    証言その1
    「これぞメトロならではのメトロ節。これが一曲めでもよい。怪しくてインチキでイカガワシイ。ヨタロウ~。ホントニモー・・・。よく知らないけどレニングラード・カウボーイズもかくやと思わせる。違うか、違うね」(アコデオン ライオンさん)
    証言その2
    「歌がおそろしく濃かったので、フェリーニ風のアレンジにイーディシュ風味を加えて、さらに音楽を饒舌にしてみました」(ヴィヲロン ヨコチノさん)
    証言その3
    「この曲がテンやて?それでもエエンちゃう?けどあン時ァ、馬っけ出してえらく引っかかってしもうたからね」(酔漢 ヨタやん)

  • あんなに空が
    (作詞・ヨタロウ/作曲・メトロファルス)
    「アイリッシュ・トラッド的な曲を」と、セッションしながら即興的に出来た曲を超がつく程、リラックスして録った生録もの。子供のはやし唄の気分で作ったのだが、春のツアーの時に歌っていた スキラッチはハゲラッチという部分は却下された。アイルランド土産のボッシのボーランとガンの抜けた笑い声がイカすぜ。

  • 風来坊とアーティチョーク
    (作詞・ヨタロウ/作曲・タダヒコ、ヨタロウ)
    ロスト・ジェネレーション、アプレゲールにザズー族、ボリス・ヴィアン、ビート・ジェネレーション、様々な時代を生きた知的不良どもに乾杯!さしづめヨタロウ版シド&ナンシーといったところか?サウンドには、70年代をデタラメに生きたメンバーのファンク趣味が見え隠れし、ひずんだマンドリンとのミスマッチは、まさに混沌とした90年代末を象徴するかのように“トラッド・ファンク”(!?)なる新たな地平を切り開いた?!!…と思ったらディラン風ロックになってしまったのは何故?日本人は短音階がお好き。

  • オーロラ・レゲエ(Aurora Reggae)
    (作詞・ヨタロウ/作曲・タダヒコ)
    田村玄一のペダル・スティールを大々的にフィーチャー。導入部は一人多重。ハモンド・オルガンとの相性の良さに、演奏も気持ちン良かばい。バッファロー・ドーター&青山陽一のコーラスとヨタロウの声の対比に<北極光>という言葉が思わず浮かぶ。いまだ逢えない遠い地に住む人たちに。メトロはいろんな所で演奏したい気持ちでいっぱいさ。

  • ZINGARO(ジンガロー)
    (作詞/作曲・ヨタロウ)
    旅から旅のジブシーの曲馬団と漂泊する心を重ね合わせた日本初の土佐弁ロック!(なんのこっちゃい!)4年前のメンバー・チェンジを模索する期間に、<無頼亭月舟とゴルビーズ>名義で何本かライブをやっていた頃からの作品。幾多の変遷を経て、“イナたい”ホーン・セクションを加え、新たな拡がりを付け加えた。逝ってしまった人たちへの敬意を込めて。

  • DOM PERIGNON, NOEL, SANTA MARIA
    (作詞・ヨタロウ/作曲・タダヒコ)
    アイリッシュ・ソウル、しかして舞台は巴里か、はたまた東西線のアパートか。ディープなバラードか、ただの酔っ払いの戯言か。ショボくれたクリスマスを過ごしたい方には、うってつけ。(でも早速、ドンペリを貰っちまったワ。重畳、重畳。フフフ)

  • 世界の果てでNONと叫びし小さなケモノ
    (作詞・ヨタロウ/作曲・タダヒコ)
    イントロの<怖い声>の数々は、すべてヨタロウの声から構成したもの。

  • 宇宙アンファンテリブル
    (作詞・ヨタロウ/作曲・ヨタロウ、タダヒコ)
    『風狂伝』で予告した『屋根裏アンファン』の解決編。今のメトロを象徴するアコースティックのみによるプログレ・フォーク歌劇? 10ともども横川マジック光る。とりわけ中間部の“ケモノ”部分は、ジュゲム横川の独壇場。誰も真似出来ないであろう。スティールパン、ブズーキ、タブラ、おまけに全員のソロ声も聴けるゾ。Mr.山ヲ登レはボッシ。

  1. さまよえる楽隊
    (作詞・ヨタロウ/作曲・ガン)
    92年の夏、品川・寺田倉庫でメトロの活動を再開した時の演奏が頭に強烈に焼きついている。ステージからそのまま外に演奏しながら練り歩いて行った。積み降ろし場のシャッター前でこの曲を皆で歌っている時、運河の向こうで花火が上がった。 「さて今夜も2回もアンコールに答えちまった。お客さんも楽しんでくれたかな?吊した旗をしまって、明日は名古屋シティを、来年はシベリア鉄道に乗ってロシアの街を大道芸人よろしく練り歩くのさ。おれたち“旅芸人の記録”はまだまだ続くのさ」

「LIMBO島」ECD-3001 取扱店

<関東>

  • タワーレコード(渋谷/新宿東口/新宿ルミネ/池袋/宇都宮)
  • WAVE (池袋)
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  • タコシェ(中野)

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<関西>

  • タワーレコード(梅田/心斎橋/京都)
  • WAVE (梅田)

<九州>

  • タワーレコード(福岡/鹿児島)

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